HIVはウイルスの中でも比較的感染力の弱いウイルスです。そのため、人の身体の中にある体液は感染力を持っていますが、体外に出された体液は空気や水に触れることで感染力を失います。感染力のある体液が粘膜へ直接触れるという行為には「セックス」があります。
HIVについて心配のあった人も、この先不安な人もCheckしてみよう!
性器・肛門と手指の接触
膣や肛門へ指を挿入する/される
感染確率:0%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
挿入する側
自身の指などの皮膚、小さな傷、ささくれ等からHIVが侵入することはありません
HIV感染の可能性はありません。
※自身の指などに大きな損傷がある場合の指挿入は0.1~1%程度の可能性があります。
注:相手の膣やペニスおよび肛門を直接触れた手などで、あなた自身の粘膜に触れるとHIV以外の感染症にかかることがあります。
挿入される側
相手の指などから出血が認められない
HIV感染の可能性はありません。
※相手の指などから出血が認められる場合の指挿入は0.1~1%程度の可能性があります。
注:相手が相手自身の膣やペニスおよび肛門に直接触れた手などで、あなた自身の粘膜に直接触れられるとHIV以外の感染症にかかることがあります。
ペニスと口の接触(フェラチオ)
ペニスをなめる・口に含む(フェラチオ)
コンドームを着けた
感染確率:0%
「途中から着けた」「途中で外れた(破れた)」場合はHIV感染の可能性があります。
コンドームを着けてない
感染確率:0.1%以下
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
心配なことがあった日から3ヵ月経過したら、検査を受けることを検討してみましょう。
- 感染力をもつ体液
-
精液・カウパー液*
*カウパー液(先走り液)とは、ペニスが勃起してから射精するまでの間に出る透明な液体のこと。
- 粘膜
-
口
注:HIVの他にも「クラミジア」「淋菌感染症」「梅毒」「B型肝炎」「口腔ヘルペス」「尖圭コンジローマ」などの感染症にかかることがあります。
ペニスをなめられる(フェラチオ)
コンドームを着けた
感染確率:0%
コンドームを着けてない
感染確率:0%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
だ液*は感染力がありません。
HIV感染の可能性はありません。
*相手の口の中に出血が認められる場合、HIV感染の影響がわずかに考えられます。
注:ペニスをなめられることは「クラミジア」「淋菌感染症」「B型肝炎」「性器ヘルペス」など、HIV以外の感染症にかかることがあります。
膣と口の接触(クンニリングス)
膣をなめる(クンニリングス)
デンタル・ダムを着けた
感染確率:0%
※デンタル・ダムとは膣を覆うことができるラテックス製のシート。食品用ラップで応用しても良い。
「途中から着けた」「途中で外れた(破れた)」場合はHIV感染の可能性があります。
デンタル・ダムを着けてない
感染確率:0.1%以下
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
心配なことがあった日から3ヵ月経過したら、検査を受けることを検討してみましょう。
- 感染力をもつ体液
-
膣分泌液・血液
※生理中の膣性交で出血が確認できた場合、感染確率が数倍程度高まることがある。
- 粘膜
-
口
注:HIVの他にも「クラミジア」「淋菌感染症」「梅毒」「B型肝炎」「口腔ヘルペス」「膣トリコモナス症」などの感染症にかかることがあります。
膣をなめられる(クンニリングス)
デンタル・ダムを着けた
感染確率:0%
※デンタル・ダムとは膣を覆うことができるラテックス製のシート。食品用ラップで応用しても良い。
デンタル・ダムを着けてない
感染確率:0%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
だ液*は感染力がありません。
HIV感染の可能性はありません。
*相手の口の中に出血が認められる場合、HIV感染の影響がわずかに考えられます。
注:膣をなめられることは「クラミジア」「淋菌感染症」「B型肝炎」「性器ヘルペス」など、HIV以外の感染症にかかることがあります。
膣とペニスの接触(ワギナセックス)
膣にペニスが挿入される(膣性交・ワギナセックス)
コンドームを着けた
感染確率:0%
「途中から着けた」「途中で外れた(破れた)」場合はHIV感染の可能性があります。
コンドームを着けてない
感染確率:0.1~1%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
心配なことがあった日から3ヵ月経過したら、検査を受けることを検討してみましょう。
- 感染力をもつ体液
-
精液・カウパー液*
*カウパー液(先走り液)とは、ペニスが勃起してから射精するまでの間に出る透明な液体のこと。
- 粘膜
-
膣
注:HIVの他にも「クラミジア」「淋菌感染症」「梅毒」「B型肝炎」「性器ヘルペス」「尖圭コンジローマ」などの感染症にかかることがあります。
ペニスを膣に挿入する(膣性交・ワギナセックス)
コンドームを着けた
感染確率:0%
「途中から着けた」「途中で外れた(破れた)」場合はHIV感染の可能性があります。
コンドームを着けてない
感染確率:0.1~1%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
心配なことがあった日から3ヵ月経過したら、検査を受けることを検討してみましょう。
- 感染力をもつ体液
-
膣分泌液・血液
※生理中の膣性交で出血が確認できた場合、感染確率が数倍程度高まることがある。
- 粘膜
-
ペニスの先(尿道口)
注:HIVの他にも「クラミジア」「淋菌感染症」「梅毒」「B型肝炎」「性器ヘルペス」「膣トリコモナス症」などの感染症にかかることがあります。
肛門と口の接触(リミング)
肛門をなめる(リミング)
デンタル・ダムを着けた
感染確率:0%
※デンタル・ダムとは肛門を覆うことができるラテックス製のシート。食品用ラップで応用しても良い。
デンタル・ダムを着けてない
感染確率:0%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
肛門から出血が認められない。
HIV感染の可能性はありません。
※目に見えるくらいの出血のある肛門をなめた場合、HIV感染の影響がわずかに考えられます。
注:肛門を直接なめることは、「A型肝炎」や「アメーバ赤痢」など、HIV以外の感染症にかかる場合があります。
肛門をなめられる(リミング)
デンタル・ダムを着けた
感染確率:0%
※デンタル・ダムとは肛門を覆うことができるラテックス製のシート。食品用ラップで応用しても良い。
デンタル・ダムを着けてない
感染確率:0%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
だ液*は感染力がありません。
HIV感染の可能性はありません。
*相手の口内に出血が認められる場合、HIV感染の影響がわずかに考えられます。
注:肛門をなめられることは「B型肝炎」「性器ヘルペス」など、HIV以外の感染症にかかることがあります。
肛門とペニスの接触(アナルセックス)
肛門にペニスが挿入される(肛門性交・アナルセックス)
コンドームを着けた
感染確率:0%
「途中から着けた」「途中で外れた(破れた)」場合はHIV感染の可能性があります。
コンドームを着けてない
感染確率:1%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
心配なことがあった日から3ヵ月経過したら、検査を受けることを検討してみましょう。
- 感染力のある体液
-
精液・カウパー液*
*カウパー液(先走り液)とは、ペニスが勃起してから射精するまでの間に出る透明な液体のこと。
- 粘膜
-
肛門・直腸
注:HIVの他にも「クラミジア」「淋菌感染症」「梅毒」「B型肝炎」「性器ヘルペス」「尖圭コンジローマ」などの感染症にかかることがあります。
ペニスを肛門に挿入する(肛門性交・アナルセックス)
コンドームを着けた
感染確率:0%
「途中から着けた」「途中で外れた(破れた)」場合はHIV感染の可能性があります。
コンドームを着けてない
感染確率:1%
※関係のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
心配なことがあった日から3ヵ月経過したら、検査を受けることを検討してみましょう。
- 感染力のある体液
-
血液
※肛門などから明らかに出血していなくても、挿入によって直腸に小さな傷ができ、出血している可能性がある。
- 粘膜
-
ペニスの先(尿道口)
注:HIVの他にも「クラミジア」「淋菌感染症」「梅毒」「B型肝炎」「性器ヘルペス」「尖圭コンジローマ」などの感染症にかかることがあります。
日常生活、薬物注射、タトゥ(刺青)その他
日常生活、スポーツ等
感染確率:0%
※接触のあった相手がHIV感染していた場合の確率です。
「だ液」「涙」「鼻水」「汗」「尿」といった体液はHIVの感染力がないため、次のような日常生活ではHIVに感染することはありません。
- キスをする。
- 一緒にお風呂(プール)に入る。
- 同じ食器(コップなど)を使う。
- 同じタオルやハンカチを使う。
- 同じ便座に座る。
- 一緒に運動をする。*
*皮膚や小さな傷口に相手の血液が付着することでの感染はありません。ただし、大量の出血が伴っても、そのまま接触が続くスポーツ(寝技のある格闘技など)については「口」「目」「鼻の穴」といった粘膜への血液の流入が考えられる場合があり、検討が必要です。
注射針の使いまわしによる薬物静脈注射およびタトゥ(刺青)
感染確率:5~10%
※注射針の共有相手がHIV感染していた場合の確率です。
注射器を新品にすることで、HIVなどの感染症を予防できますが、覚せい剤など違法薬物を日本で使用すること(所持を含む)は禁止されています。
タトゥ(刺青)を入れる場合は、針や器具が使い捨て(または殺菌済み)であるかどうかを必ず確認しましょう。
医療施術者の針刺し損傷
感染確率:0.5%以下
※患者さんがHIV感染していた場合の確率です。
安全機能付き注射針の導入などで、リスクを減少させることができます。勤務先では針刺事故対応マニュアルなどを確認しておきましょう。
また、手術の際の出血による粘膜接触は0.1%程度、感染の可能性があります。ゴーグルやグローブ、マスクなど、肝炎対策ができればHIVの心配もありません。
輸血
感染確率:80%
※輸血用の血液(200cc)がHIV感染していた場合の確率です。
日本国内の輸血用の血液は充分な検査を行うため安全といえます。安全な輸血が行えるよう、HIV検査を目的とした献血は、検査チェックをすり抜ける可能性があるのでやめましょう。
また、病院での治療や検査などで使用される注射針は、全て使い捨て(または殺菌済み)です。使い回すことはありませんので、安心してください。
母子感染
感染確率:1%以下
※母親がHIV感染していて、なおかつ予防処置をしていた場合の赤ちゃんへの感染確率です。
日本では母親が妊娠した際に産婦人科などで、「妊婦健診」にて血液検査を行います。検査にはHIVや肝炎などが含まれ、万一お母さんが感染していても、生まれてくる赤ちゃんに感染しないようにすることが可能です。治療も何もしなければ30%程度の感染確率となります。
- あらかじめお母さんがHIVの治療薬を飲み、体内のウイルス量を下げること。
- 出産時には帝王切開など、出産方法を変えること。
- 生まれた赤ちゃんに対し、予防薬と検査を当面の間、行うこと。
- 母乳を与えず、粉ミルクで育てること。
お母さんがきちんと治療を続けながら、赤ちゃんを生み育てればHIV感染を予防できます。
もちろん、あらかじめパートナーとともに検査を受けることも大切です。(お互いがHIV感染していても体外受精などの方法により、妊娠することが可能です)